marugaolog

色々の記録。noteから移行

ご自愛しましょう

最近、割と(それなりに(かなり))悲しいことがあった。

数年前までの自分だったらこういうことがある度に地球がひっくり返ったような大騒ぎをしていたような気もするのだけれど、もういい加減そんな活力もなくなっているのか、ひとしきりしょんぼりし尽くしたあと、「まあご自愛しましょう」とひとりごちたのだった。

 

ご自愛、なんていい響き。

自愛
① 自分を大切にすること。自分の体に気をつけること。現代では、「御自愛」の形で、手紙の末文などで相手に向けて用いることが多い。
※家伝(760頃)上「入吾堂者、无宗我大郎、但公神識奇相、実勝此人、願深自愛」 〔老子‐七二〕

kotobank.jp

でも、自分を大切にすることってなんでしょう。リラックスするってこと?

そもそもリラックスってなんだ。カフェに行くこと?サウナに行くこと?実のところ私はひどく神経質な性質で、カフェに行くと「あんまり長居しても店の回転率に響くかもしれない」とソワソワしてしまう。サウナも一時期はハマりにハマっていたのだけれど、たとえば他の人がサウナマットを敷かずにサウナの段に腰かけていたりなどすると、声をかけるべきかどうか悩んでしまう。結局リラックスどころではない。

 

数年前に心の具合がひどく悪かった頃に、カウンセリングセッションを二週間に一回くらい受けていた。ある時に「なんかオンとオフをつけるのが苦手なんですよね~」みたいなことを零したら、「リラックスする時間を意識的に取ってみて。柔らかい毛布で身体をくるんだり、ぬいぐるみを触ったりしてその手触りを感じるとか」とアドバイスを受けたのだった。当時の私はマジで眠れないし(一睡もしないまま朝6時、とかよくあった)、本当に本当に具合が悪かったので「ケッそんな毛布やらぬいぐるみやらに意識向ける余裕があったら苦労しないわ」などと内心思ったのですが…(ごめんなさい)…でも数年経って今もう一度その言葉を考えると、当時カウンセラーの先生が言いたかったことが腑に落ちるような気がするのだ。

暮らしの中での手触りだとか感触だとかに集中することって実は意識しないとめちゃくちゃ難しい。毎日飲んでいるコーヒーの味だってブラインドテストで当てることができるか怪しいくらいだ。でもちゃんと自分を「今、ここ」に引き付けておかないと、多分どうにも離人症的になってしまう。

今になって思うのは、まあ大げさに言うとそういう「心ここにあらず」状態の蓄積が自分の心を蝕んだ原因だったんだろうなあということだった。あの頃はまるで空が落ちてくることと地面が崩れること両方を恐れている状態、みたいな……とにかくしっちゃかめっちゃかだった。

だから多分私は特に意識的に「心ここにあらず」状態から脱却しないといけない。マインドフルネスって多分こういうことなんじゃないかな。どうにもスピリチュアルな感じがして胡散臭いけど。

ここまでが意識の底・脳の端で考えていたこと。あとなんかここ最近触れたものがそういう考えとちょっとつながっているように思えて興味深かったので、更に考えたこととかを書こうと思ったのだけれど、割と疲れてしまったのでザっとリンクを貼ったりするだけにしておこうと思う。

 

まず一つ目は、森美術館でやっていた現代美術展:「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」。

bijutsutecho.com

2020年以降、目に見えないウイルスによって日常が奪われ、私たちの生活や心境は大きく変化しました。こうした状況下、現代アートを含むさまざまな芸術表現が、かつてない切実さで心に響きます。本展では、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何か、を現代アートに込められた多様な視点を通して考えます。自然と人間、個人と社会、家族、繰り返される日常、精神世界、生と死など、生や実存に結びつく主題の作品が「よく生きる」ことへの考察を促します。

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング | 森美術館 - MORI ART MUSEUM

現代美術ってまじで「よくわからんもの」というイメージがあったんだけど、個々の作家の問題意識とか関心とかが寧ろ絵とか彫刻みたいなオールドスクールな表現媒体より分かりやすく伝わってきて、意外ととっつきやすいなと思った。

一番面白かったのが、オランダのギド・ファン・デア・ウェルヴェという作家の映像作品、”the day I didn’t turn with the world”(世界と一緒に回らなかった日)。

vimeo.com

地味で単純な身体表現を積み重ねて、地球とかそういうスケールの大きいものとの関連を表現するみたいなのが作風っぽくて、この作品は北極点に行って地球の自転とは逆の向きに回転する様子を記録した映像。黒いダウンを来て地味~~~に回り続けるのが面白くてよかった。

 

もう一つは韓国のハ・ワンという男性が書いた本『あやうく一生懸命生きるところだった』.

honto.jp

カバーの絵とタイトルがゆるくていいな~と思って読んだのだけど、内容もゆるかった。やっぱり現代社会は厳しいし、皆やっぱり疲れてるよね……と、なんだか疲れていた私は救われたのだった。あと、最後の方に、「結果じゃなくて過程を楽しもう」と書いてあって、そうだよね~~~と思った。これが、今回の日記を書こうと思った理由かもしれない。

 

一瞬一瞬を味わって生きること=ご自愛すること 私はこう考えました。いかがでしたか?(いかがでしたか?で締めるとクソブログのようになる)